言語工学原理

1.入子構造(I see he eats an apple 私は彼が赤いりんごを食べるのを見る)

複文や従属節、関係節をもつ言語は、入子構造で説明する。

 

  • 一項(apple/りんご)

特定の音素配列に恣意的な意味を持った項としてそれ以外と分節されているかどうか。

この項は要素である可能性と入れ子である可能性がある。

  •  二項一関数(This is (an) apple/これはりんごだ/I eat (an) apple私はりんごを食べる)

主文述語動詞=関数

他動詞文やコピュラ文が二項一関数文に相当。

コピュラがないアラビア語やロシア語、あるいは赤いりんご(red apple)などの形容詞プラス名詞は関数を省略しているものとして扱う。

E.g.

Red appleApple that be red

Eto yablaka→Eto byt' yablaka

 

2.分散(差延化)

認識内の項は、時間(熱運動)によって分散する。

 

3.再構築(創造性)

ある入子構造は運動によって差延化する。

入子構造→差延化→入子構造'のダイナミクスをさらにオブジェクトとして認識することで統合、さらには他の入子構造と組み合わせることで言語体系を構築する。

形而上学第一原理

1、世界に唯一実在するものは、眼前のクオリアにうつるダイナミクスだけである。

 

2、二項対立というステーツは、中立一元論的に単一であるメタのステート(m)へと遷移し、

 

3、また、そうなった場合、必ず遷移したmから人間は差異を見出し、m’となり、

 

4、新たな二項対立を生み出す。

 

5、この過程が先述のダイナミクスであり、このダイナミックな知覚活動のみが世界には唯一実在する。

 

 この実在は主体でも客体でもフッサールの説く純粋意識的な中立の一元的存在でもなく、一元論と二元論のシームレスな遷移を意味する。

 世界には(知覚のダイナミクス、熱力学的運動、及、熱力学的運動を絶対条件とした我々の知覚が存在する以上)言語をはじめとした純粋なステートは実在し得ない(実在するかのように見えるステートは、ダイナミクスの中で、相対的にスタティックであるということである)

 また、例えば多階述語論理のように、メタランゲージとしてこのダイナミクスに記号をふることは可能である(しかし自然言語と同じく、そのシニフィエは常に変化し続ける)