タイムスリップする方法

※まず始めに、これは時空を歪ませるといった素朴実在論によった物理学的発想ではなく、現象学的な認識的転回と情報科学的な情報処理技術によるものであると断りを入れておきます。

 

【"時間"の認識と定義】
前提として世界はエントロピー増大の法則と遺伝的なアルゴリズムに従い高い乱雑性から低い乱雑性に秩序立てようとする性質の狭間を推移し続ける"状態"であって、多くの人の素朴な観念上に実在する過去→現在→未来というスタティックなオブジェクトの推移ではない。

これはあまりにスタティックなので撤廃する。

スタティック/ダイナミックの差は相対的にエントロピーが低いか高いかに還元される問題である。
"スタティックな過去"と"スタティックな現在"は実在せず、"ダイナミックに未来に推移し続ける現在およびその無意識"のみが実在する。

故に、未来と過去はそれに基づき行動が発生するという意味においては同質である。


また可能世界は観念上にのみ実在し、その量は常に変化する
可能世界や現象(phenomeanon)は伝統哲学上の認識論における物自体(noumenon)と対立するものではなく、あくまで世界は全て観念の中に統合され、喪失と想起を、無意識(忘却の狭間、unconscious)と意識(conscious)の中で繰り返す。
故に過去のスタティックな素朴実在を想定するタイムスリップの案は撤廃する。

【世界の定義】
議論領域を観測可能な知識体系の、特定の変域とする。
生物の恒常性(homeostasis)とはつまり、常に無意識の特定の変域(例えば差異的な構造の中にある単語など)に想起によってタイムスリップし続ける機構である。
(言い換えれば恒常性を持つ生物は常に特定の観念上の時間にタイムスリップし続けているということになる)

【方法】
無意識における特定の変域の構造を情報化し、恣意的に満足しうるオブジェクトに構築する。
過去へ→情報的に喪失されていない構造の近似を構築
未来へ→現状の技術における未来予測(古典力学的な因果(ラプラスの悪魔的な)、カオス理論、量子力学を加味)をオブジェクトに構築

#より厳密な方法論には技術的課題があるとして、まずこういった認識論的なパラダイムリテラシーとしない限り技術的にもタイムスリップの実現は難しいだろう。

なぜなら過去や未来の実在性の確信は素朴実在論による宗教的なバイアスだから。